日々雑感

歴史は、たんなるトリビア的知識の集成ではない。歴史を学ぶとはどういうことか?

共産主義をどう捉え直すか (3) 社会主義国家の腐蝕

「資本論」やマルクスが、この件についてどう説いていたのか、私は知らない。いちおう資本論も読もうとしたが、十数ページで挫折した。私がここで話したいのは、理論ではなく現実に何が起こったかなので、まあヨシとしよう
 で、なぜ社会主義国家が、ことごとく強圧的と内部腐敗をもたらしたのか。思うに、私有に否定的だったからではないか。興味深い話を引用する。
 よど号ハイジャック事件において、赤軍のハイジャック犯たちは(共産主義の実現のため?)全員からタバコを没収し、しかるのちに喫煙者に均等に分配した(その他の経緯等はこのサイト参照)。
 しかし、欲望の量とベクトルは人によって異なる。「もっと欲しい」「あいつより偉くなりたい」etcという欲望は、しばしばネガティヴなコンテクストで語られる。共産主義革命において重要な役割を担うインテリゲンツァー(知識層)にとって唾棄すべきものだったのだろうか。ともかく、強い欲望を持つ人間が社会主義体制の中に現れたとき、必然的に汚職や権力闘争が起きる。そして、革命理論という建前ゆえに、民衆にたいしてはその「人より強い欲望」を否定しなければならなかった。ここに矛盾が生じ、圧政に親和的な体制の出現をみる。
 そして、革命は次のステップへと進む。社会主義体制は必然的に資本主義陣営との対立を生む。結果、東西冷戦に積極的に関与せざるを得なくなる。さらに、革命を広げるためという大義のもと、対外進出が正当化されてゆく。
 1979年のアフガン侵攻がこの側面を持っているのかどうか、私にはよくわからない。しかしアフガン侵攻は、マルクス的思想に致命打を与えた。もはや、マルクス主義は信仰としての神話を失い、社会主義の崩壊も時間の問題となった。

 こうした経緯をへて過去の存在となったマルクス主義だが、マイナスな歴史のみを残したと断じるのは性急と思う。もはや唯物史観(マルクス主義的歴史観)は時代の潮流たりえないのは明らかだが、先述のように、一定の役割を果たしたのではないか。このことについて話していくことになるのだが、それはまた、べつのお話

≪ プレーオフ制度について門外漢より。2ホーム踊らされるボクたち ≫

Comment

コメントの投稿

 
管理人にのみ表示する
 

Track Back

TB URL

Home

プロフィール


大阪在住の日曜歴史家&ウィキペディアン。ウィキペディア利用者ページはこちら。あとイギリス史・歴史関係のおすすめできる本たちはこちら



クリック募金

おすすめ本(私の本棚)
WEB本棚ブクログ



歴史系ブログたち↓
にほんブログ村 歴史ブログへ にほんブログ村 歴史ブログ 歴史理論へ

イギリス史のおすすめ

BOOKs

イギリス
イギリスのイメージや歴史を、一冊で手軽に読める入門書

イギリス近代史 宗教改革から現代まで
宗教改革以降のイギリス史。平易でわかりやすく、最初の1冊としておすすめ

スコットランド 歴史を歩く
岩波新書。スコットランドの歴史・気質が簡潔にまとめられている

財政=軍事国家の衝撃
歴史学上の新説、財政=軍事国家論。なぜイギリスが18世紀の戦争に連戦連勝できたかを分析している

「王国」と「植民地」
近世イギリス帝国のなかのアイルランド

アイルランド史を「王国」と「植民地」の双方から捉える通史。イギリスを理解するうえでも有益な一冊。

イギリス史(〜中世)
イギリス史(近世)
世界歴史大系。もっともメジャーな通史


DVDs

クロムウェル
清教徒革命の映画。普通に面白い。

エリザベス
「よき女王ベス」と愛されたエリザベス1世の前半生。ケイト・ブランシェット主演

バリー・リンドン
18世紀のヨーロッパ上流社会がよく描かれている

わが命つきるとも
トマス・モアの話。実はまだ見てない

ロブ・ロイ
18世紀スコットランドの氏族のお話。ロブ・ロイという人物は実在したらしいけど、ジャコバイトが反乱分子と描かれているのが気になる。

アイルランド・ライジング
イースター蜂起直後のアイルランド。ヒロインの子がカワイイ

Powered By FC2ブログ

最新の記事

カテゴリー

Wikia

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

月別アーカイブ

リンク

MAIL

名前:
メール:
件名:
本文:

最近のコメント

データ取得中...