ローマ人の物語
史学雑誌「回顧と展望」に、おっ、と思うところがあったので採り上げてみる。歴史学の研究抜きに歴史を語る例のささやかな事例のひとつかもしれない。これをどうこう批判するよりも、歴史学はどうあるべきか、立ち止まって考えてしまう今日このごろ。自分たちこそ正統だ!では済まされない何かがあるような。
塩野七生『ローマ人の物語』(新潮社)について一言しておきたい。多くの研究者のこの本に対する態度は、「あれは小説だからエンターテインメントとして読まれるぶんには結構」というものだろうが、書店や図書館ではこの本は歴史の棚に碗べられ、学生や市民講座の受講者から聞いたところでも、歴史書として読まれているようである。評者は既刊の全巻を通読してみたが、誤りや根拠のない断定が目に付き、ときには「聞き捨てならない」発言もある。この本のもつ影響力の大きさを考えれば、「あれは小説だから」で済ませてしまうのではなく、一度きちんと検証し批判すべきは批判する必要があるのではないだろうか。(史学雑誌115-5, p318)
歴史小説とかそういったのは、虚構をたくみに取り入れることでリアリティ・説得力をもたせることを是とする。歴史学ではタブーな方法である。とはいってもカタイ歴史学より歴史小説のほうがずっととっつきやすい。はてさて、この差をどう考えたものか。
歴史小説とかそういったのは、虚構をたくみに取り入れることでリアリティ・説得力をもたせることを是とする。歴史学ではタブーな方法である。とはいってもカタイ歴史学より歴史小説のほうがずっととっつきやすい。はてさて、この差をどう考えたものか。
Comment
半年以上更新をサボっていましたが、ようやく更新復帰する意欲が湧いてきましたw。歴史書と歴史小説の違いという問題に関しては、小田中直樹氏が『歴史学ってなんだ?』(PHP新書、2004年)の中で簡潔に触れてましたね。この本読みやすくてお勧めです(もうご存知かもしれませんが)。
こんにちは。コメントありがとうございます。
私としては、どちらか一方が間違っているだとかいう話ではなく、
両者が離れてしまっていることが問題なのではないかと思っているわけです。
ご指摘の通り論集などの専門書は、一般の人が見てもさっぱり理解不能なのではないかと思います。私も予備知識がないころに概説書を読んだ時は苦労した記憶があります。ここらへんの溝を埋められたらいいなと思って、能力の及ぶ限りあれこれやってみてはいますが、いかんせん大きすぎる問題で持て余し気味です。
私としては、どちらか一方が間違っているだとかいう話ではなく、
両者が離れてしまっていることが問題なのではないかと思っているわけです。
ご指摘の通り論集などの専門書は、一般の人が見てもさっぱり理解不能なのではないかと思います。私も予備知識がないころに概説書を読んだ時は苦労した記憶があります。ここらへんの溝を埋められたらいいなと思って、能力の及ぶ限りあれこれやってみてはいますが、いかんせん大きすぎる問題で持て余し気味です。
azuncha03さん こんにちは
史学雑誌の「ローマ人の物語」のお話興味深く拝見しました。
私も歴史学科卒なので、「歴史学」と「小説や物語としての歴史」との関係やお互いの批判というのは、よくわかります。
歴史学者にとってはあるひとつのテーマを掘り下げ研究しているところ、物語で根拠のないことを言われると頭にくるのでしょう。
でも「歴史書や研究本は人が読むもの」という前提もあると思うので人に読みやすくする努力も必要ではないかなと思ったりもします。
史学雑誌の「ローマ人の物語」のお話興味深く拝見しました。
私も歴史学科卒なので、「歴史学」と「小説や物語としての歴史」との関係やお互いの批判というのは、よくわかります。
歴史学者にとってはあるひとつのテーマを掘り下げ研究しているところ、物語で根拠のないことを言われると頭にくるのでしょう。
でも「歴史書や研究本は人が読むもの」という前提もあると思うので人に読みやすくする努力も必要ではないかなと思ったりもします。
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